2007年 2月の扉 ナヌカザメの卵

 これから水温がググッと下がって来ると、ナヌカザメが姿を見せるようになります。特に、2月14日の週は、富戸のナヌカザメ出現の特異日です。あのギラギラとしたアーモンド・チョコレートの包み紙の様な瞳はバレンタイン・デーに相応しいじゃないですか。

 この季節にナヌカザメが見られるのは恐らく産卵とも関係があるのではないのかなと思うのですが、富戸でナヌカザメの卵が見られた事はこれまで一度もありませんでした。恐らく深場まで続く岩礁域と言った環境が必要なのではないのかなと思います。人の掌ほどもある大きな卵の中で1匹のサメが少しずつ成長していく様子を是非見届けてみたいものだと思っていたのです。

 そこへ、昨年の2月にこの卵が出現したのです。

  「やはり、ナヌカザメ・バレンタインデー の伝説は生きていたのか」

と色めきたったのですが、残念ながらこれはナヌカが産みつけたものではなく、漁の際にナヌカから生れ落ちた卵を漁師さんが括りつけたものだったのです。それでも卵であるに違いなく、生き物の重さが変わる訳ではありません。卵嚢の中に見える卵黄部分から小さなサメの形になって来るのかなと期待して見守っていました。しかし、残念ながらこれは未受精卵だったらしく、時と共に表面に苔の様な物が付着して行くだけだったのでした。

 ところがです。昨年の5月13日。遂に本当のナヌカザメの卵を見つけました。前の週にそこを通った時にはそんなもの見掛けなかったので、その数日前に産み付けられたものに違いありません。

  「今度こそ、成長の記録を」

と力が入ったのですが、この卵も流されてしまったらしく、数週間後に姿を消してしまいました。う〜ん、卵嚢のなかで動くナヌカザメを見てみたいよぉ〜。

 2008/03/08 「富戸の胎動」 へ続く

2007/02/01 記

HP表紙へ > 扉の月明かりへ > 本ページ