2004年 6 月の扉 オハグロベラ



 さあ、アオリイカの産卵床も沈められました。富戸の海も夏時間になりました。4時半までじっくり潜れます(これがIOP並に5時半までだったら観察の対象が一気に広がるんですけどねぇ)。

 3時半を過ぎる頃になるとオハグロベラのオスが落ち着きなくなって来ます。自分の縄張りの中を落ち着きなく泳ぎ回っては時々体を平らに横たえてヒラヒラとヒラメの様な泳ぎを見せます。これが、海藻の陰に隠れているメス達への求愛の仕草なのでしょう。すると、やがてフワ〜ッとメスが泳ぎあがって来るのです。こうして産卵ショーのベルが鳴ります。

 粘って粘ってハラハラしながら見る産卵もそれはそれで盛り上がるのですが、オハグロベラの様に、

 「この時間、ここへ行けば必ず見ることができる」

というのも何だか安心できます。だから、Ex前に少し時間がある時には必ず立ち寄ってしまうのです。

 でもね、実は、この時期のオハグロベラのオスの体色が僕は好きではありません。ゴテゴテと余りに暑苦し過ぎます。ハワイの免税店で売ってるキャンディーの様に、見るだけで食傷気味です。

 ただ、唯一の例外がオス同士のバトルの時です。ウガーッと歯をむき出して噛みつかんばかりに興奮した2匹にはこの派手さがよく似合います。それだけに、この争いに負けた方のオスがスゴスゴと逃げて行く時にはこの華美な衣装が一層哀れに見えるのでした。
2004/06/01 記 
  

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