2003年12月の扉 ガラスハゼの産卵 |
これはもう8年も前、1995年の写真です。その頃、僕はガラスハゼやスケロクウミタケハゼがお気に入りで、その姿を見つけた時には必ずカメラを向けていました。するとその内、ムチカラマツの一部にポリプが欠けた7〜8cmのエリアがあるのに気がつきました。更によく見ると、そこに小さな粒々が見えます。 「そうかあ、ガラスハゼはこんな所に産卵するんだあ」 彼らは、産卵床と思い定めた部分のポリプをまず取り除いてしまうのだと後になって聞いた事があります。でも、一体どうやって除くのでしょう。食べてしまうのでしょうか、齧り取るのでしょうか。それは未だに見た事がありません。 こうなると、あちこちのムチカラマツを覗いては、 「卵はないかぁ、それを守っているガラスハゼは居ないかあ」 と捜し歩くようになってしまいました。 そして、この日も同じ様に目を凝らしていたところ、案の定、綺麗な卵を見つける事ができました。しかも、傍にガラスハゼもいます。 「よし、こいつが卵を守っているんだな」 とウホウホと数カットを撮影しました。ところが、現像が上がってからその写真を見てびっくり。 「あっ・・・、あ〜ああ、こいつ、産卵の最中だったんだぁ」 下腹部から産卵管がニュッと突き出ているのが分かります。しかも、ビッシリ並んだ卵塊の先頭にそれが向けられているのです。これは産卵中と考えて間違いないでしょう。何だか感激すると共に、すぐに後悔の念がこみ上げて来ました。 「じゃあ、この時、オスはどうしてたんだ・・・?」 確かに、このムチカラマツにはもう1匹のガラスハゼが居るのは気付いていました。でも、その動きなんか全然気にしていなかったのです。 「何たる迂闊!」 最後の詰めが甘いダイビングというのは、その頃から変わっていないようなのです。トホホのホ。 2003/12/01 記 |