富戸の業務命令 (6/4) もう、そろそろ梅雨なのかなぁ、なんだかドンヨリした感じです。去年は6月、7月に台風がドンドコ遣って来て辛い思いをしました。今年はせいぜい1〜2個・かすめる程度にして欲しいものです。 月日; 2005年6月4日(土) 天候; うす曇り 気温; 17〜18℃ 水温; 18 ℃ 透明度; 12 m(おおっ、海が青いぞ) 海況; 穏やか 潮回り; 満潮 = 16:00 (129 cm)、 干潮 = 09:06 (24 cm)、 中潮、 月齢 = 24 今週の「目一杯」 自分の遣りたい事が人から求められている事と一致するというのは比較的稀有な例です。多くの場合、自分の遣りたい事を突き進めて行くと、どこかで求められている事との齟齬を来たします。 「こいつぁ、面白いなぁ」 なんて仕事をしてると、いつしか上司から 「いつまでそんな道楽に打ち込んでるんだ」 との厳しい視線を浴びるようになるのです。 「HPの地味化を押し止め、読者の減少に歯止めを掛けるべし」 との業務命令が「富戸の波(株) ログ事業部第一企画部」の部長から下りました。しがない宮仕えの身としては、そんな声を無視する訳にも行きません。少しは受けそうな話も・・ と思っていたところ、出ました! |
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海ガメです。アオウミガメでしょうか。僕は富戸で初めて見ました。ボートポイントではしばしば目撃されているのだそうですが、「富戸ファンダメンタリスト(原理主義者)」の僕にとってはボート・ポイントは最早富戸ではありません。マエカドだのフタマタだのっていうボート・ポイントは、ブルーコーナーだとかバラクーダ・ポイントなどというのと何ら違わない「海外」の名前に過ぎないのです! おっと、またつまらぬ事で声が大きくなってしまいました。上司が眉をひそめてがこちらを見ています。はい、受けそうな話ですね。 この日、このカメは砂地の真ん中にドテンッとうずくまっていました。遠くから見て、 「こんな所に土嚢があったかな」 と思って近寄っていくと、のっそり泳ぎ始めたのでした。ひやぁ、優雅、優雅。一生懸命フィンキックすれば付いて行ける位のユッタリ・スイムでした。この日は久しぶりの青い海で、カメの悠然たる舞も一際映えたのでありました。おしまい。 部長、こんなもんでどうでしょう。目一杯派手なネタにしてみましたけど。えっ? まだ不十分? しょうがないなぁ。 今週の「臥薪嘗胆」 そこで、久しぶりに魚類の登場です。 昨年の8月に話は遡ります。ヨコバマに現れた3匹のクマノミのお話を覚えておられるでしょうか。 (2004/08/10 付けログ 「富戸KABA」 参照) |
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2004/08/12 |
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昨年の夏、ヨコバマのイソギンチャク畑に3匹のクマノミが同居していました。1匹は尾ビレが完全に真っ白なメスのクマシロ。もう一匹は尾ビレがまっ黄色でやや小柄なオスのクマッキー(上の写真では遠近の差で体長の違いが正確に分かりません)。そして、もう一匹が尾ビレの色が微妙で雌雄の判別がつき辛いKABAちゃんでした。問題はこのKABAちゃんです。目視の判定ではこの3匹の中ではKABAちゃんが一番大きな個体に見えました。クマノミ社会では、群れの中で一番大きな個体がオスからメス(白い尾ビレ)に性転換して縄張りを取り仕切ると言う事になっている筈です。でも、ここでは完全メスのクマシロよりも、性別不明のKABAちゃんの方が大きかったのです。 「さてさて、クマシロとKABAちゃんの関係はこれからどうなるのだ ろう」 と思っていた矢先の8月13日のこと。この場所からクマシロが突然姿を消してしまったのでした。見た目には、KABAちゃんがクマシロを追い出した様な格好です。 「やはり、体の大きな物が強いという事だったのかぁ」 とこの時は一応納得したのでありました。 ・・・と、当ページではここまでをご紹介していました。が、他のお話の紹介に忙しくてこちらでは報告していませんでしたが、この付近のクマノミの動向はこれ以後もず〜〜〜〜っと追跡していました。そこで、それを簡潔にまとめておきます。 さて、昨年(2004年)8月13日に、遂に正妻の座を勝ち取ったかに見えたKABAちゃんはその後どうなったのでしょう。 その翌週も、ここには性別不明のKABAちゃんとオスのクマッキーの2匹が並んでいました。ここはイソギンチャク畑一帯の中でもクマノミが定着し易いエリアで、僕が「レガシー(伝統)」と呼んでいるポイントです。この場所を制したという事は、KABAちゃんが遂にクマノミ界のトップに上り詰めたという事になるのでしょうか。 この付近には他にも3〜4匹の定着したクマノミ成魚や若魚(全長5〜6cm)が居るのですがペアは1組も居ませんし、メスも1匹も居ませんでした。 「遂に、KABAちゃんの時代が到来か?」 と思った時です。8月21日のこと。このレガシーから15m程離れた場所で見慣れた姿を見つけたのです。 |
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クマシロ レガシー手前15mにて (2004/08/21) |
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クマシロです。体色、2本のラインのデコボコ、腹ビレ・尻ビレの色、ほぼ白い尾ビレから判断して間違いないと思われます。政権の座を追われたクマシロはこんな所で1匹寂しく隠遁生活を送っていたのです。 しかし、零落したと思われたこのクマシロの暮らしこそ臥薪嘗胆と呼ぶべきものであったのです。この翌週、9月4日のこと。ポイント・レガシーにクマシロが突如帰って来たのです。一方で、これから王国を築くと思われたKABAちゃんとクマッキーが共に姿を消してしまったのでした。つまり、クマシロが2匹まとめて追い出したという構図です。そこで、 「彼らはまだどこかに居るかもしれない」 と捜索したところ、クマッキーがここから15m程離れた場所、つまりクマシロの隠遁場所であったイソギンチャクに居るのを見つけました。何か因縁めいたものを感じます。しかし、KABAちゃんは何処にも見当たりません。そして、これ以後再びその姿を現すことはありませんでした。 「でも、クマシロはこれから一人暮らしになるんだろうか」 というのがちょっと気がかりです。KABAちゃんを追い出すのは頷けますが、何も罪のないオスのクマッキーまで叩き出す事はなかったのではないでしょうか。 そう思っていたら、翌日9月5日には、クマッキーがちゃっかりとポイント・レガシーに帰って来ていました。ま、一時的な謹慎処分が解けて帰って来たという所なのでしょうか。こうしてレガシーでのペアは漸く安定したのでした。 この8月から9月に掛けての権力闘争をまとめると下図の様になります。 |
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さあ、紆余曲折はあったものの、これで円満な夫婦生活が送れそうです。こうなると、僕の興味は、 「果たしてこれから産卵はあるのか?」 という一点に絞られます。でも、僕は悲観的でした。一つにはこの時点で既に9月に入っており、産卵の季節には少し遅い様に思えたからです。でも、嘗ては10月に入ってから産卵したクマノミも居たので、あり得ぬ事ではありません。でも、それよりも僕が気にしたのは、 「クマノミはペアとして一冬越さないと産卵しない」 という僕の故無き思い込みでした。特に統計を取って調べた訳ではないのですが、僕はそう信じています。 「成魚同士だからこいつらは産卵するだろうな」 と思ったペアでも、その夏に出来た即席ペアだと産卵にまで至らない様に思うのです。やっぱり、厳しい冬を手に手を取って支え合ってこそ本当の夫婦じゃないですか。 ♪ あああ〜 津軽海峡〜 冬景色〜 ♪ 僕はこれを、 「クマノミ・演歌の法則」 と呼んでいます。 そして案の定、このペアは2004年中に産卵することはありませんでした。 今週の「割り込み」 さて、漸く安定したかに見えたポイント・レガシーに思わぬさざなみが立った事がありました。11月3日、このポイントに更にもう1匹、小さなオス(と呼べるほどまだ成熟していないかもしれないけど)が現れたのです。全長5cmほど、他の2匹より明らかに小さい個体です。僕は「チョロQ」と呼んでいました。 |
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チョロQ (2004/12/04) |
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チョロQが初めて姿を見せた時は、ポイント・レガシーから5m程離れた場所でした。 「あ〜、僕も仲間に入れて欲しいなぁ」 という感じで、クマシロとクマッキーのカップルをチラチラ見ているという風なのでした。 ところが、チョロQは毎週この距離を少しずつ詰めながら2匹に近づき、12月になる頃にはここは3匹が同居するポイントになっていたのでした。 |
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クマシロ (2004/12/04) クマッキー (2004/12/04) |
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ここで改めて3匹を見比べると、見た目の特徴は次の様にまとめられます。 |
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ヒレの色が個体によってそれぞれなのが面白いですね。 さあ、こうしてポイント・レガシーは3匹体制でこのまま年を越しました。僕が定点観測していた付近のクマノミポイントからはこの頃から成魚が次々と姿を消し始めました。正念場の厳冬期はもうすぐそこまで迫っていたのでした。(つづく) |
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2005/06/13 記 |
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