キャロル

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【キャロル】

まだ社会的な規範が厳しかった1950年代のニューヨークで、同性で愛し合ってしまった二人の女性の物語です。

これは素晴らしい作品でした。

まず'50年代の時代の表現が非常に精緻です。着ている物、女性の化粧、ヘアスタイル、車、室内の調度のみならず画面の色合いにまでクラシックな空気が漂っています。

同性愛と言う面が本作では注目されがちかも知れませんが、そうしたセンセーショナルな扱いは全く感じませんでした。二人の女性の孤独と不安が繊細ながらも非常にくっきりと描かれ、その魂の交わす視線が観る者の心にもしっかり届きました。

年 配の夫人を演じるケイト・ブランシェットは貫録の演技だったのですが、僕が何より心を惹かれたのは、カメラマンを目指す若い女性を演じたルーニー・マーラ の表情の深さでした。デパート店員として最初に画面に映った瞬間に、何処か不安で自信がないのだけれど愛らしい表情が僕の心を鷲掴みでした。

 「この人、とんでもない女優さんだ」

と言う事が一瞬で感じられるほどです。それから物語の展開と共に微妙に変化し揺れて行く視線の表現が非常に繊細でした。

夜の映画館で、座席に深く腰を下ろしてじっくり観るに相応しい大人の一作でした。ルーニー・マーラにアカデミー助演女優賞が授与されますように。 

TOHOシネマズ海老名 にて(#8-21)

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このページは、onsenmaruが2016年2月17日 07:10に書いたブログ記事です。

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