第324回  ダルマオコゼ


1995/08/15 ヨコバマ 水深 25m 砂地 水温 15℃ 全長15cm

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 わらび餅屋らお屋に続く「昔はあったこんな商売」シリーズです。

 子供の頃には、折り畳み傘なんて言うのは高級品で大人の持ち物でした。だから、

  「今日はお昼から雨みたいだから持って行きなさい」

なんて優しいお母さんに言われてランドセルに折り畳み傘を入れて持ってくる子は、僕らの眼からみたらお金持ちでした。普通の子は、少し大きめの傘を持って登校するのでした。ちなみに僕は(今もそうなのですが)、物を持って手が塞がると言うのが大嫌いなので、朝雨が降っていなければ天気予報が何と言おうと傘は持ちませんでした。すると、下校時には案の定雨降りです。僕は、

  「家に帰ってから着替えたらええやん」

とびしょびしょになって学校を出ます。少し濡れるというのは気になるものですが、全身ぐっしょりと言うのは却って爽快です。水溜りにわざとバシャーンと飛び込んで水しぶきを上げると、女の子から、

  「きゃー」

なんて言われるのが子供心に嬉しかったんでしょうね。

 台風が近付いて、雨だけでなく風も強い日。僕は相変わらず傘も差さずに

  「ひゃっほー」

と水溜りで跳ねていました。すると、一陣の風が吹いて、傍の女の子の傘がそっくり返って、いわゆる「お猪口」の状態になりました。そして、更に強い風が吹くと、メキッと傘の骨が折れてしまいました。

 昔は傘も貴重品でしたから、直ぐに修繕です。そんな時、

  「こぉ〜もり がさ〜 の 張替えぇ〜」

と現れる傘の修繕屋のオッチャンがいました。傘の破れや骨の折れたのを手早く修理して呉れたものでした。今ならば、コンビニなんかで買った傘ならば骨が折れただけでゴミ箱行きでしょうから、こんな商売も成り立たないのでしょう。

 さて、今回のダルマオコゼも何故か今の富戸では「こうもり傘の張替え〜」なのです。恐らく7〜8年は姿を見ていません。以前は砂地でそれこそ「だるま」の様にデェ〜ンを睨みをきかせているのをしばしば見かけたものでしたが。

 今頃、あのダルマオコゼは何処で傘を修繕しているのでしょうか。

2008/03/30 記

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