第315回  クロサギ


2005/09/18 ヨコバマ 水深6m 岩場砂溜まり 水温 23℃ 全長15cm

 今も被害者が後を絶たない振り込め詐欺や霊感商法など、一般の人々からお金を巻き上げる詐欺はシロサギ、そして結婚詐欺など異性を相手にする詐欺はアカサギと呼ばれているのだそうです。それに対し、それらの詐欺師を相手にする真の詐欺師はクロサギと言うんですって。確か、少し前にそんなタイトルでテレビドラマにもなっていましたね。

 富戸の海で考えてみれば、汚い岩になり切っているカエルアンコウや海藻の切れ端と見紛うばかりのカミソリウオなんかは我々ダイバーを見事に出し抜くシロサギと言えるでしょう。更に、秋から冬にかけての磯で、メスをネチネチと誘惑してあたかも気があるかの様に見せ掛けておきながら、放卵・放精した途端さっさと次のメスの傍に突っ走っていくアカササノハベラなんかはアカサギにあたるのかも知れません。

 と言う事はですよ。そいつらの更に上前をはねるこのクロサギは一体どんな老獪な手練手管を弄しているのでしょうか。見た所、目立った特徴もありません。子供に魚の絵を書けといえばササッと書いてしまいそうな色形です。いやいや、環境と群集に紛れる事ができる事こそが本当の詐欺師たる由縁に違いありません。だから、こいつが知らぬ間に傍に寄って来ていると、財布が入っている訳でもないのに僕は思わずBCのポケットを押さえてしまうのです。

  「お、お前には騙されないぞっ!」

2007/12/26 記

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