第266回  ウメイロモドキ


2006/11/11 ヨコバマ 水深12m 砂地と岩場の境 水温 21℃ 全長5cm

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 一ヶ月程前から、タラバイエロー隊員が、

 「ソラスズメの群れの中に妙な幼魚が居る、黄色がとっても目立つ」

と騒いでいました。そこでどれどれと言われた辺りを探しに行ってみたのですが、それらしい魚は見つかりませんでした。浅場ではソラスズメの途轍もなく大きな群れが広がっているので何処かに紛れてしまったら探しようもないのでした。ところが先週、少し成長して岩場の分り易い場所に遂に現れて呉れました。ブルーの体に背側の鮮やかな黄色。これは南の海の象徴とも言うべきウメイロモドキではないですか。僕は富戸で初めて見ました。

 これと似た種であるウメイロの若魚ならば今頃の時期、富戸の海にも現れる事があります。今年も岩場で何匹かを見掛けました。でも、本来の特徴であるべき背中の黄色が非常に汚らしいのです。地色の青も地味です。それに比べると似た魚でありながらウメイロモドキはこんなに小さな頃から青の鮮やかさが全く違います。

 「これ、本当にウメイロモドキなんだろうか?」

と図鑑でしげしげと見比べてみました。すると、ウメイロモドキはどの写真を見ても胸ビレの根元が黒くなっているのに対し、ウメイロはそこが無地です。上の写真の個体は胸ビレ基底部が黒いですね。やはりウメイロモドキで間違いなさそうです。

 それで、今回この両種を調べてみて初めて気付いた事があります。ウメイロとウメイロモドキはあんなに似ているのだから、てっきりかなり近い親戚かと思っていたのですが、実は、属どころか科すらことなるかなり隔たった種だったんですね。ウメイロはフエダイ科であるのに対し、ウメイロモドキはタカサゴ科なのです。

 ま、その血筋はともかく、こうしてウメイロモドキが現れてくれたとなると、今度はこれが群れになってくれないかと期待してしまうじゃないですか。エントリーした途端、あの青と黄色の群れがサラサラと目の前を流れて行くのですよ。う〜、見てみたい。


 と、ここまで書いたところで、意地になってとうとう踏み込んではいけない領域に立ち入ってしまいました。今、体色の上で紛らわしく思えるのは、ウメイロ、ウメイロモドキ、ユメウメイロの3種です。これらの差異を調べてみたところ、尻ビレの棘条と軟条数がキーポイントになる事が分かりました。

  棘条数 軟条数
ウメイロモドキ 3 12
ユメウメイロ 3 11
ウメイロ 8 16〜17

 そこで、今回の個体の尻ビレをグイ〜ンと拡大して1本ずつ数えてみたところ、ウメイロモドキの数にピタリと合いました。はぁ〜、めでたしめでたし。

2006/11/12 記

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