第259回  オキザヨリ


2006/09/10 ヨコバマ 水深0.3m 藻場 水温 26℃ 全長50cm

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 サヨリと聞くと春先から魚屋さんの店頭にも出回るあの流麗でしなやかな体つきを思い起こします。しかし、富戸の海で見るこいつにはサヨリのあの上品さがどうにも感じられません。と思って図鑑を見ると、こいつはサヨリの名前を持ちながら実はダツの仲間なのだそうです。サヨリは下顎が上顎より著しく長いのが特徴です。

 (こぼれ話 第8回 「ワラジムシ」 参照)

 ダツと聞くといきなり身構えてしまいます。こいつらは、光に向って突進する習性があるのだそうです。ですから、漁師さんや海女さんが自分で潜って魚貝類を獲る潜水漁では、夜に水面近くでライトを照らすと何匹ものダツが突っ込んで来て、この尖った口でブスリッと刺される事もあるのだとか。漁師さんの眼にダツが刺さった強烈な写真を本で見たことがあります。ウグッ、また思い出してちょっと気持ちが悪くなって来ました。

 その写真を見て以来、ダツと聞くと身構えてしまうのです。更に、ダツの仲間は食っても不味いのです。一度塩焼きにしたものを頂いた事がありますが、身がパサパサでちっとも美味しくありませんでした。魚ならば何でも食ってみましょうという僕が食事の後半は箸が止まってしまったくらいです。ですから、定置網漁でもダツは雑魚籠に投げ入れられるか捨てられてしまう運命なのです。人間の勝手を申し上げて誠に申し訳ないのですが、

 「てめえら何の役にも立ちゃしない」

なのです。ところがです。一部の骨格マニアにはちょっと注目の魚なのです。こいつの骨って青いのです。僕も、塩焼きで頂く時に身をほぐしてみて驚きました。一部が本当に美しいライトブルーに輝いていたのです。

 「ああ、こんな隠れた所に粋なおしゃれがあるから、ヤクザ者に
  一部の女性が却って心惹かれる様にこいつらも結構もてるん
  だろうなぁ」

そう思うと妙に腹立たしくなって来たのでありました。

2006/09/16 記 
  

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