第207回  イトヒキアジ


2002/10/12 ヨコバマ 水深5m 岩場 水温 22℃ 全長7cm

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 「これを見たいという魚?・・ う〜ん、別にないなぁ」

などと気取った事を普段言っているのですが、実は、3年前に彼の姿を見るまで僕はイトヒキアジが見たくて見たくて仕方なかったのでした。出来るならばほんの小さな幼魚がいいですね。糸がヒラヒラと長く延びているステージのものです。

 水中写真で見ると、

 「なんでこんな邪魔なものを引きずって泳いでいるんだろう」

と不思議でならなかったのです。これは是非一度は自分の目でと思うのですが、IOPなどではしばしば見られても富戸にはなかなか現れてくれないのでした。たまに、

 「さっきまで一の根の傍に居た」

なんて噂を聞いて、それ行けっと駆けつけるのですが、幾ら泳ぎ回ってもそれらしい姿は見出せないのでした。

 ところがこの日、

 「そろそろExポイントへ」

と思って何気なく水面を見上げた時、水面の青さに溶け込むように何やらヒラヒラ妙な動きが見えました。

 「ええっ? も、もしや」

とゆっくりと浮上した時に目に入ったのがこのイトヒキアジの姿です。

 「そ、そうかぁ、水底からはこんなにも見つけ辛い魚だったのかぁ」

と改めて感心。それにしても、実際に泳ぐ姿は思っていた通り優雅なものでした。スイッと方向転換する時にゆらりと舞う糸は優艶とも呼ぶべき気品です。結局この日は、丸々タンク2本分をイトヒキアジの傍で過ごしたのでした。ああ幸せ。

 えっ? この次に見たい魚ですか?

 「う〜ん、別にないなぁ」

なんてね。

2005/09/01 記 
  

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