第115回  シュンカンハゼ


  2001/08/16 ヨコバマ  水深 12m 岩場 水温 23 ℃

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 それほど数少ない訳でもなく、冬季を除けばほぼ通年見ることが出来るにもかかわらず、殆ど話題になることもない可哀想なハゼです。その一番の理由は、岩穴から出て来る事がない上に、ダイバーの姿を見るやシュッと引っ込んでしまうからでしょう。

 春から初夏になると、シュンカンハゼの穴には幼魚達が親と同じ様に岩の奥から出て来てこちらを見上げてジッとしています。その顔が面白いのです。この強面の親と全く同じ顔をしているのです。通学用の黄色い帽子を被った小学生のくせに妙に老けた顔をした子供ように見えるのです。

 さて、このハゼの話をする時、僕が一番気になるのがその名前の由来です。「シュンカン」って何なのでしょう。

 「そっと近寄ろうとした『瞬間』にたちまち姿を消すから」

という人がいますが、そんなにベタベタな命名をするかなあと僕はやや否定的です。
 ここはやっぱり、「俊寛」の字を当てたい所です。
 平清盛の政権を転覆させんものと京都・鹿ケ谷で謀議をこらしていたところ、密告により捕らえられ鬼界島(きかいがしま)に流罪になった僧の俊寛です。その後、島のほかの流人たちは赦免船で帰されたのに、俊寛一人が取り残された悲劇は能にも取り上げられています。

 でも、このハゼの何処がその悲劇と結びつくのかが今ひとつ分かりません。岩穴の奥でポツンとしている姿を俊寛の孤独に重ね合わせたのでしょうか。う〜〜っ、気になる〜っ。知りたい〜っ!
こぼれ話 第112回 「俊寛」 へ続く

2003/07/24 記

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