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J.P.D. パナフィユー 著 P. グリ 写真 小畠郁生・吉田春美 訳 河出書房新社 刊 ISBN: 978-4-30925-217-9 \ 8,800 + 税 2008/02/29 初版発行 288 頁 縦x横x厚; 29.6x30.0x3.7 cm |
書店の棚でこの表紙(ガラガラヘビの骨)を見、タイトルを見た途端、
「しまったぁ〜」
と天を仰いでしまいました。30センチ近くもある大型本で厚さもあるので、かなりの高価本に違いありません。しかし、
「くぅ〜、結局僕はこの本を買ってしまうんだろうなぁ、また痛い出費だぁ」
と思ったのでした。そして書架の前で数ページを繰ると、案の定この本を小脇に抱えてレジに直行していました。
骨と言うのは何とも不思議な魅力に満ちています。それは単なるカルシウムの無機物の塊に過ぎないのですが、確かに命の記憶を留めているのです。そんな骨に惹かれて、当コーナーでもこれまで骨本を何冊も取り上げてきました。また、幾つもの魚の骨格標本を自分でも作って来ました。そんな骨ファンの僕はかねがね、
「骨だけの写真集はないかなぁ」
と思っていたのでした。それが遂に出たのです。
本書で取り上げられている動物は、フランス各地の博物館収蔵の骨格標本をプロの写真家が撮影したものです。その写真はどれもこれも黒を背景に撮ったモノクロ作品ばかりなのです。つまり、骨の魅力だけで勝負した、文字通り「骨太」の本です。
著者の狙いは、動物の基本構造である骨の仕組みを通じて動物の進化を知ろうとするもので、要所要所に長い解説があります。でも、そんなの関係ありません。僕も殆ど読んでいません。本書の魅力はなんと言ってもページ一杯の大判写真に尽きます。
哲学者の様に思慮深げに佇むゴリラの骨。圧倒的な迫力を誇るアフリカゾウの骨。ガラス細工の様に繊細なニシキヘビの骨。
海の生き物も沢山取り上げられています。アオザメの骨は今にも飛び掛って来そうです。それなのにギラリと光る鋭い歯は邪悪な魅力を放っているのです。シーラカンスの異形の骨は確かに「魚類の束縛を断ち切ろう」としている様に見えます。ヒラメの全身を取り囲むヒレを支える骨は何と精緻に出来ているのでしょう。そして、僕が一番気に入ったのはガンギエイのヒレの骨の美しさでした。もはや完成された構造物に見えました。
と言う具合に僕はただただ溜め息をつくばかりでした。生き物に興味を持っている子供達には是非この本を見て欲しいと思います。「読む」必要はありません。「見る」だけでいいのです。そして、
「すげぇ!すげぇ!」
と言いながらページを繰る事こそが最良の理科教育だろうと思うのです。
2008/03/06 記
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