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川那部 浩哉 著 平凡社新書 刊 ISBN: 4-582-85041-3 \ 680 + 税 2000/05/23 初版発行 216 頁 縦x横x厚; 17.2x10.5x1.0 cm |
本書の副題は「古来、日本人は魚をどう食べてきたか」です。長い歴史の中で、日本人は一体どんな魚をどの様に料理して食べて来たのかを古い文書を渉猟しながら探ろうというものです。川那部さんは、魚類の生態学を長年にわたって研究して来た方なので、魚類学的な記述も正確ですから最適の著者を得たと言えるでしょう。
「これは面白そう」
と期待して買った一冊でした。ところが、この本、かなり難儀して読み通す事になってしまいました。
まず一つには、次々と出て来る古典を読む難儀です。魚料理に関する古い記録や俳句がが幾つも紹介されるのですが、その幾つかは一体何を言ってるのか僕には分らないものもあるのです。難しそうな文には現代語訳も付けて頂いているのですが、著者が想定したレベルよりも僕は低いらしく、
「これってどういう事?」
と首を傾げてしまう点が多々あったのでした。その度に、読みながら何度も立ち止まってしまう事になりました。
次に困惑したのが、食べ物や料理に関する昔の記録と言うのは書き方が淡々としていて、一体どの様な魚料理なのかがイメージし難くどう美味しいのかも実感出来ないという事でした。昔の記録には「膾・なます」が頻繁に出て来るのですが、僕は実際に食べる機会が少ないので、「膾」という言葉で多くの人が想起するであろうイメージを共有できないのです。
更に、取り上げられている魚に淡水魚が多いのも馴染めない一因です。僕が口にする淡水魚と言えば丁度今頃の時期のアユ位です。しかも、その殆どが養殖ものです。ですから、淡水魚の各種の味の違いが全く分らないのです。
この様に、食べ物の美味しさを文字で表現するという事が昔から如何に難しかったのかと言う事が良く分った一冊でした。
2007/06/15 記
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